2004年 11月 22日
バナタイム |
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GINZAに掲載されていた吉本ばななさんのエッセイをまとめた本です。
雑誌で読んでいたから、買わなくてもいいか・・・と思っていたけれど、
昨日、古本屋さんにポツンと置かれていたので、
やっぱり手元に置いておくべき本なのかな?
と、買って帰ることにしました。
ちょうどこの連載が始まったとき、
いろいろと思い悩むことがあり、
心身ともにかなりまいっていました。
そんなときに、
なんだか肩のちからがふわっとぬけて、
風がさらっとふきぬけていくような気持ちにさせてくれたのが、
この本におさめられている、ある1つのエピソードです。
もともと吉本さんは、現代作家のなかでは
ベスト3に入るくらい好きで、ほとんどすべて読んでいるし、
心の拠り所にしているようなところがあったけれど、
そのときのエッセイは、あまりにもタイミングがよすぎて鳥肌がたちました。
目に見えないつながりというか、不思議な縁を感じました。
それゆえに、いつもに増して、深く心に染み入ってきました。
思春期のころ、家族旅行で行った沖縄に
ばななさんの【哀しい予感】を持っていって、
キラキラ輝く青い海にも、抜けるように爽快な空にも
目もくれず、ひたすら本を読み耽っていたわたしを
両親や弟はいぶかしげに見ていたけれど、
あの時のわたしには、綺麗な風景よりも
もっと切実に求める何かが、きっとあったのだと
今になって思います。
バナタイムは、ばななさんの本の中で
格別に好き!というわけではないけれど、
わたしのターニングポイントに
大きな影響を与えてくれたという点で、
必要不可欠な1冊なのかもしれません。
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by porenar
| 2004-11-22 10:00
| livre